トランプ大統領の演説は、簡単な単語・構文が使われるため、
分かりやすいという声が多いです。
一方で、実はその英語に苦労してる人もいるので、ご紹介していきます。
日本の声。わかりやすい!
日本のネットでは、トランプ大統領の英語は分かりやすいと評判のようです。
以下、ツイッターなどでよく見かけたコメントです。
「トランプ氏の英語わかりやすい」
「就任演説、通訳なしのほうがわかりやすいくらいだ」
「簡単な単語ばかりだから、英語の勉強になるな」
トランプ大統領が意図的に簡単な英語を使っていることもあり、
オバマ大統領の時には厳しかった人も、
トランプ大統領なら理解できる!というような感じですね。
トランプ氏の英語レベルは小学生6年生レベル!
トランプ大統領の英語がシンプルだというのは、
実は研究でも明らかにされています。
カーネギーメロン大学が大統領選の候補者だった5人の英語を調査し、
1年生(6歳)~12年生(18歳)までで英語のレベル分けをしました。
ちなみに、アメリカでは、日本の小学校~高校みたいな区切りをせず、
12年生まで連続して表します。
例えば、7年生=中学1年生ですね。
さて、調査結果は、トランプ氏以外が6~8年生レベルだったのに対し、
トランプ氏はそれよりも低い傾向にあったそうです。
文法でみれば、
トランプ氏以外:6~7年生レベル
トランプ氏:5.7年生レベル
という結果だったそうです。
他の候補も意識的に簡単な英語を使っていましたが、
トランプ氏はそれよりもさらに簡単な英語を使っていたんですね。
簡単な英語でも難しい??
トランプ氏の英語は小学生レベルのやさしいもので、
日本人も大勢聞きやすいと言っているのですが、
逆にトランプ氏の英語に困っている人もいました。
世界の翻訳者たちです。
シンプルな英語なのに、なぜ言葉のプロの翻訳者たちが
苦労しているのでしょうか。
理由は大きく3つあるようです。
①少ない語彙にボロボロな構文
構文がシンプルといっても完全に正しいわけではないようです。
分かりやすさ重視のため、文法的には間違っていることもあり、
そこをどう訳すかが難しいそうです。
ちゃんと訳してしまうと、それはそれで、
文法をちゃんと守るトランプ大統領という
違ったイメージになってしまうため、勝手に直し過ぎるのもNGなんです。
単語も簡単なものを使うということは、繰り返しかが多くなります。
印象には残りやすいですが、翻訳の人が文章に直していくと、
文脈だったりロジックが飛んでいたりして、これまたそのまま訳すと、
訳がおかしいんじゃないかと疑われてしまう心配があるそうです。
②比喩表現など独特な言い回し
単語は簡単でもトランプ氏は独特な言い回しをよく使い、
それを訳すのが難しいと言われています。
日本でもあったのが、トランプ氏が安倍首相に言ったこの言葉です。
「Abe is a killer.」
皆さんはどう訳しましたか。
「安倍は殺人者だ」
こう訳した人が多いのではないでしょうか。
日本の放送局もこう訳していました。
ところが、その後ネットで、killerは”やり手”という意味もあり、
褒めているんじゃないか、という指摘がされました。
③ネイティブもわからない表現
苦労しているのは、外国人だけではないようです。
英語を母国語にしている人でも、
トランプ氏の表現がわからない時があるようです。
ネイティブでもあまり使わない表現を使うことがあり、
なぞな単語が飛び出すと、直後に検索数が急上昇するとか・・・
筆者の所見・感想
シンプルというのは、逆を言えば、使える単語が少ないため、
少ない単語で多くを表現しなければなりません。
その中で、わかりづらい表現も出てきてしまうんですかね。
そこにトランプ氏のユニークな表現が混ざり、
さらに分かりづらさを増しているようです。
リスニングにはいいかもしれませんが、
意訳の練習としては難易度が高めのようです。
独特な言い回しや皮肉、嫌いではないですけどね(笑)。