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待機児童問題って何?原因や解決策を簡単にまとめてみた

待機児童といえば、少し前に「保育園落ちた日本死ね」
と書いたブログが話題になりましたね。
依然、状況が厳しい待機児童問題ですが、
そもそも何が問題なのか漠然としたイメージしかなかったので、
原因や解説とともに簡単にまとめてみました。

待機児童問題とは

待機児童とは、認可保育園への入園希望をしたのに
入れなかった子どものことです。

保育園にも施設の規模や保育士さんの数によって
受け入れられる定員が決まっているので、
そこから溢れてしまうと順番待ちになってしまいます。

認可保育園とは、一定の基準を満たし、
都道府県から認可を受けた保育園です。
一般的に、認可保育園は国や地方自治体から助成を受けていて、
認可外保育園に比べ保育料が安いため、人気が集まります。

近年、認可保育園に入れない子どもが増えており、
それが待機児童問題として騒がれています。

 

保育園に入れないだけで問題なの?と思いましたか。
でも、自分に置き換えてみると切実な問題です。

例えば、奥さんが最初は育休をとっていたけど、
そろそろ育休期間が終わるから保育園に預けようと思った時、
預けられる保育園がないんです。

申し込んだら数十人待ちと言われてしまいました。
育休を延長してもらおうか、でも会社に言いづらいし、
いつ見つかるかわからないから迷惑もかけてしまいます。

他の選択肢は認可外保育園ですが、保育料も高く、
月に5~7万円もの出費は家計にかなり厳しいと悩んでしまいます。

 

専業主婦の人も同様です。
家計を助けるために、そろそろパートをしようと思っても、
保育園が空いていませんし、抽選は共働きの人が有利なので、
さらに望みは薄いです。

これがシングルマザーだったとしたら・・・
さらに厳しい状況なのは想像できるでしょう。

このように、保育園に入れず、追い詰められている人が
増えている待機児童問題なのです。

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待機児童が増えた原因

では、なぜ待機児童は増えているのか、
主な原因を3つほど、簡単に説明していきます。

①保育士不足

まずは、保育園で働く保育士さんが不足しています。
一番の原因は、低賃金と過酷な労働環境です。

保育士の給与は、平均で月給20.7万円です。
なんと、全産業の平均より10万円も低いんです。
保育士は国家資格が必要な仕事なのですが、
資格を取って給料低いのは割にあわないですよね。

実際、保育士さんもそう思っているようで、
保育士の資格を持っている人の半数が現在就業しておらず、
就業しない理由の1位は、「賃金が希望と合わない」なんです。

しかも、給料が低いうえに労働環境も過酷です。
子どもを預かるというプレッシャーの中、保護者の相手もし、
日誌などの時間外の業務も多く、休みも取りづらいそうです。
これで給料も低かったら、それは違う仕事を探しますよね・・・。

 

②施設つくるハードル

次に、施設を増やそうとしても、そのハードルが高いのです。

待機児童は、主に都市部で増えていますが、
都市部では保育園を建設するのに適した物件が不足しています。

広い園庭が必要だったりと、保育園を作るには、
それなりに広い土地が必要です。
しかし、都市部の必要とされている地域に、
都合よく土地が空いているわけもなく場所が見つかりません。

また、場所の見込みが立っても、周辺住民の反対にあいます。
子どもの声って結構響きますよね。
園庭で遊ぶ子どもの声が騒音として問題になり、
周辺住民が保育園の建設に反対してくるのです。

待機児童が社会問題になっていたとしても、
いざ自分の近くに建設となると、そこは反対するという、
まぁわからなくもないですが、なんとも切ない世の中ですね。

 

③都市部の人口増加と女性の社会進出

3つ目に、ちょっと広い話をすると、
待機児童が増えたのは、都市部の人口増加があります。

少子化の日本ですが、都市部の人口は増えています。
都市部に人口が集中しだしたことで、
都市部での保育園不足が問題になってきています。

そして、女性の社会進出が進んだことで、
子どもを預けようとする人も増えました。

こういった要因で、少子化の中でも
特に、都市部の保育園の需要は増えているのです。

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待機児童が多い地域はどこか

待機児童が問題となっていますが、
実際に多いのは、どこなんでしょうか。

上でも書いてきた通り、
待機児童は都市部に集中しています。

2016年4月の調査では、以下がワースト5です。

1位:江戸川区 397人
2位:板橋区  376人
3位:沖縄市  360人
4位:大分市  350人
5位:高松市  321人

区の中で300人以上となると、もう入るのは諦め状態です。

 

都道府県別でみると、待機児童が50人以上いる市町村の数では
以下がワースト5です。

1位:東京都 38
2位:沖縄県 11
3位:埼玉県 7
4位:千葉県 7
5位:福岡県 7

全体では116の自治体がありますが、そのうち、1/3ほどが東京都です。
埼玉県、千葉県などの首都圏を合わせると半数近くにもなります。

首都圏はどこも激戦区になっているんです。

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解決策はか、国の対応は?

なかなか、待機児童問題が厳しい状況なのではわかりました。
では、なにか解決策はあるのでしょうか。

国としては、直近というと、
2013年から始まった「待機児童解消加速化プラン」
2016年に発表された「待機児童解消緊急対策にかかる方針」
があります。

詳細は省きますが、主に規制緩和で問題を解決しようとしています。
規制緩和というのは、定員以上の受け入れを認めたり、
保育士以外の人割合を増やしたりと、
ルールを緩めて受け入れの人数を増やそうとしたのです。

原因の一つにもありましたが、すぐに新しい保育園を増やすのも
難しいので、既存の保育園で何とかしようとしたんですね。

しかし、まだまだ待機児童は減っておらず、
より効果的な施策が求められています。

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筆者の所見

ニュースを見ていてなんとなく大変だなと思っていましたが、
いざ自分がその状況に置かれたら家計の危機的状況だと想像したとき、
本当に切実な問題ですよね。
かと言って、安いととこは不安だし・・・。

しかも、働いてる保育士さんの給料が低すぎるのも驚きでした。
保育士さんも含め、全体がよくなる落としどころが
あればいいなと思いますが、難しい課題ですね。

国や地方自治体には、即効性と実行性のある
取り組みを期待しています。


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