FBI長官を解任してから、世間はトランプ大統領の辞任というシナリオを考え出しました。議会から弾劾される可能性はあるのか、自ら辞任するのもあり得るのか、まとめてみました。
概要
選挙中から疑惑は始まっていました。
選挙にロシアの介入が疑われ、
そのロシアとトランプ陣営の繋がりが懸念されました。
そして2017年5月9日に、トランプ大統領は
この件を調査していたFBIの長官を解雇してしまいます。
疑惑を調査していたFBIのトップを解雇したわけなので、
世間はますますトランプ大統領を疑いの目で見るようになります。
そのすぐ後、司法省の副長官がロシア介入の疑いについて、
「特別検察官」を任命しました。
「特別検察官」については、下で詳しく書きますが、
司法省もより本格的に調査に乗り出しました。
一連の疑惑から、アメリカ国内では
議会がトランプ大統領を弾劾するのではないかと騒がれています。
弾劾って何？
弾劾とはなんでしょうか。
弾劾の言葉自体の意味は、罪や不正を調査・公開し、責任を問うことです。
アメリカには、大統領が犯罪や政治的非行、反逆、収賄などを行うと、
下院が過半数で訴追を行い、上院が弾劾裁判を行えるという制度があります。。
弾劾裁判では、3分の2以上の同意により、大統領を罷免させることができます。
大統領が悪いことをしたら、議会が辞めさせることができるんですね。
ロシア疑惑により、トランプ大統領が議会に辞めさせれるんじゃないか、
とアメリカ国民は心配？しているのです。
支持率が低いんで、歓迎してる人も多そうですが・・・。
特別検察官って何？
昨日、元FNI長官のモラー氏が特別検察官に任命されました。
特別検察官とは、どんな役職なんでしょうか。
特別検察官とは、特にセンシティブな事案について対応するため、
司法省の内外から選ばれる臨時の検察官です。
政治的な問題など、普通のルートだと難しい場合に、
省の内外問わずに適任な人にお願いするわけです。
さらに、特別検察官は、省の内外を問わず、
人員を集めて捜査チームを結成する権限も持ちます。
任命されると予算が与えられて、
日常的に司法長官に進展を報告することになります。
今回は、長官がロシア疑惑の件にノータッチを決め込んで切るので、
副長官に報告することになっています。
要するに、司法長官（今回は副長官）の直下にいて、
司法省（政府）から干渉をうけずに独立性高く捜査できる役職なんです。
過去に辞任した大統領、ウォーターゲート事件とは？
トランプ大統領に厳しい状況なのは分かったと思いますが、
結局、辞めさせられることなんてあるの？ということで、
過去の例を見てみましょう。
実は、過去に弾劾された大統領はおらず、
辞任した大統領が一人だけいます。
意外と少ないんですね。
その歴代で唯一辞任した大統領というのが、リチャード・ニクソン大統領です。
ニクソン大統領が辞任する発端となったのが、
ウォーターゲート事件というものです。
当時、大統領が関わったウォーターゲート・スキャンダルを
捜査していた独立特別検察官を、ニクソン大統領が解任しました。
自分のスキャンダルを捜査していた検察官を解雇したわけですから、
世間からの批判も厳しく、当然議会も弾劾して大統領をクビにすると思われました。
で、ニクソン大統領はどうしたかというと、議会から罷免される前に、
自ら辞任したのです。
あれ？なんか途中まで最近見た流れですよね。
自分の都合の悪いことを捜査していた人を解雇。。。
ロシア疑惑を調査していたFBI長官をクビにした
トランプ大統領に被りますよね。
そこから、ウォーターゲートをもじって、
アメリカのメディアはロシアゲート事件を言い始めたわけです。
筆者の所見・感想
改めて、トランプ大統領のおかれている状況を整理してみしたが、
やっぱりニクソン大統領と被って見えてしまいますよね。
解雇された元FBI長官も議会での証言などで攻勢にでており、
状況は余談を許しません。
個人的には違う結末になることを願っています。
